妊娠との関連について

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ここではPCOSと妊娠との関連について述べたいと思います。

診断基準にもあるように、PCOSにおける月経障害は排卵障害を伴っています。アンドロゲンの濃度が高い状態にあることによる影響で、卵胞の成熟が阻害されて排卵に至らないのがPCOSの主たる病相のひとつでもあるわけですから、PCOSが不妊につながるという事実は存在します。不妊治療の過程でPCOSと診断されるケースが多いこともすでに述べたとおりで、PCOS患者にとって妊娠は非常に大きな関心事でもあります。

 

不妊排卵がない場合、そのままでは妊娠は不可能ですが、稀発月経の場合などで不規則ながらも排卵が起きているのであれば、自然妊娠も不可能ではありません。実際、PCOSと診断された女性が、その後に自然妊娠に至った例も数多く報告されています。基礎体温が二相性になっているかどうかといったことでも、排卵の有無についてはある程度はわかると思います。

ただし、排卵が起きているといっても、排卵間隔が長く不規則ともなれば、排卵のタイミングを把握しづらく、計画的に妊娠を目指すのは非常に困難になってくるため、健康な女性と比べて自然妊娠の可能性はどうしても低くなってしまうのは否めません。





いずれにせよPCOSと妊娠との関連でいえば、まずは排卵を正常に近づけるように目指すことになります。これは妊娠との関連の有無を問わず、PCOSの対処療法に関する基本的な方針でもあります。
妊婦や妊娠を希望する方に推奨される葉酸は、そのすばらしい効果の一つである造血作用により、血流を良くし新陳代謝を高め、きちんとした細胞分裂を行う手助けをします。つまり、排卵も正常に起こす働きをするのです。
妊娠を希望する方に葉酸摂取が推奨されるのはそのためです。

過度なストレスPCOSにおける排卵障害がどのようなメカニズムで起きるのか、まだ正確にすべてがわかったわけではないということはすでに述べました。したがって、その排卵を促すためのアプローチも、容易に確定することはできません。ただ、正常排卵においてもそうですが、ホルモンバランスが排卵のメカニズムの調整に関して重要な影響力をもつことに疑う余地はありません。したがって、少なくともそれらに悪影響を及ぼす可能性があること、例をあげるなら、不規則な生活サイクルや食習慣の継続、過激なダイエットや過度のストレス、過労といったことをしないように日ごろから心がけておくのは、健康管理の観点からも望ましいことです。

 

また、PCOS患者の未成熟な卵胞から採卵し、それを体外培養により成熟させた後、顕微授精を行い、受精卵を子宮へ移植する未成熟卵体外受精(IVM-IVF)が近年、PCOS患者に対する体外受精に関して成果をあげているようです。日本では2000年に初めてPCOS患者に実施されて妊娠出産に成功した、比較的新しい手法であるため、まだまだ日本全国どこででも受けることができるというわけではありませんが、大きな注目を浴びていることは確かです。「PCOS=妊娠はムリ」とあきらめる必要はないのです。妊娠したいな.com もご参考に。





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